2010年4月22日木曜日

不安なのに準備できない~4割が老後難民

上記のようなタイトルでフィデリティ投信の調査が公表されていました。

面白かったのでいくつか見ていきましょう(資料はレポートより抜粋)

退職後の生活は、現在の生活よりも悪くなると考えている人が約半数


現在の高齢者と比較すると、悪くなると思っている人が7割
では、今の高齢者は恵まれていると皆思っているのでしょうか?

老後の心配は、半分がお金に関すること、次いで健康


8割以上の人が「公的年金」では生活費に不十分だと考えている
(それは現状の年金生活者を見ての回答なのでしょうか?)


退職後に必要な資金としては、概ね2,000万円~3,000万円程度を考えているようです。
(これは計算して算出した必要額なのでしょうか?たぶん、何となくの数字でしょう)


年代別に退職準備度(どのていど必要資金に対して準備しているか)をみると、20代~30代では10%程度、50代でも40%未満の数字
(50代で半分も準備をしていなくてどうするつもりなのでしょうか)

これを見ると、40%の人は「何もしてない」、残り40%も「計画的ではない」ので20%程度の人しか計画的な準備をしているとはいえない状況です


びっくりしたのは、この表
預貯金とか資産運用は良いとして、会社の退職金制度や年金制度に期待している人が4分の1もいるとの結果
国には頼れないと思っても、会社にはまだ頼れると思っているのでしょうか?

他にも30%の人が投資をしているとのデータもありましたが、一方で半分以上の人が現在の投資環境を「あまり良いとは思わない」とのこと
現在が良いのでなければ、いつが「良い」のでしょうか?
おそらく現在が良いと思えない人は、相場が高くなった頃に動き出す、一番やってはいけない「高値買い」という投資行動を取る人々なのでしょう

今回のアンケートを見て、改めて暗澹たる気分になりました。

みんな、ある程度「将来」に対する不安や危機を感じていながら、具体的、論理的には動こうとしない「何もしない」ことを選択する

私のコンサルティングの現場では、60代以上の方々でこれまでの無計画性が祟って、生活の建て直しや見直しを図らざるを得ないケースも少なくありません。

今後10年、20年経つと、このような人々が大幅に増えるということが想定されるアンケート結果ですね。

少なくとも私の関わる人には、このようになって欲しくないと再度思いを強くする次第です。

6 件のコメント:

  1.  66歳の私、邱永漢先生の本を読んでいたおかげで何とか老後資金も有りそうですが、友人知人の”ヒマは有るが金がない”の口癖を聞き厳しい老後を思い自助努力の必要性を痛感しています。

    友人が酒飲んでTVの野球を見ている時、勉強すれば将来大きな差が出るでしょう。

     

    返信削除
  2. okaさん

    ご無沙汰しております。小屋です。

    私も邱先生の書籍を読むようになってから、色々と根本的に考える事が多くなりました。

    また、邱友会や考察団を通して出会う方々からも非常に大きな影響を受けさせて頂いております。

    皆さんが努力をしていないとは思わないのですが、その努力の方向性が大事だとは思っています。

    返信削除
  3. 私が入社した頃は、55歳定年で、途中から60歳定年になり、今では65歳の雇用延長が増えていますが、平均寿命に応じて70歳ぐらいまでに伸ばす必要が出てきますね。
    少子化時代に元気な老人が、生きがいとして働ける環境づくりが必須と思います。

    返信削除
  4. TQOLさん

    そうですか、昔は55歳定年だったんですね。

    少子化で労働人口が減るので、70歳定年というのは良いのですが、会社内での影響力と権限の持ち方が課題になるのではないでしょうか?

    返信削除
  5. 小屋さん

    そうですね。年功序列(特に50歳以上の方の)を無くさないと難しいかも知れません。役職定年(課長以上)を50歳代前半にし、その後は、実務に即した給与体系(大幅ダウンになる方が多くなるはず)にして、若い方の給与アップ、雇用促進を重点にする必要があります。
     元気なお年寄りは、働くことにより健康管理がされ、健康維持を促進し、医療費の削減が期待できると思います。

    返信削除
  6. TQOLさん

    そのような取り組みで上手くやっているケースがあるのでしょうか?

    やはり、大企業であるほど難しいような印象を受けますが。

    返信削除