2010年6月3日木曜日

2010年長期経済予測

何度かご紹介しているように、いつもPIMCOのレポートを楽しみにしています。

ちょうど今週はPIMCO JAPANの担当者のお話を聞く機会がありました。
PIMCOは社員一人一人が、きちんとした運用哲学と経済見通しについて意見を持っている集団だと非常に好印象を受けました。

話としては、長期経済予測について(PIMCOではSecularとよぶ)でしたが、これはモハメド・エラリアンのレポートに詳細が出ています。

簡単に2010年度の長期経済予測の内容をご紹介しておきます。

・経済成長は、エマージング経済が、急激な発展段階が続く
10年後には、エマージング経済が世界経済の半分以上を占める事になるだろう

・オーストラリア、カナダはアジアとの貿易やコモディティを抱えているので、悪影響を好影響が凌駕する

・欧州は、長期的なユーロ圏の組成とそれを支える制度に対して重大な疑問がある

・日本は人口動態と巨額な債務が、既に弱体化している持続的な経済成長をより一層削ぐ事になる

・米国は混とんとしている。公共財政は短期間で修正するのは難しい
家計も過大な債務負担にあえいでいる
政治も必要な対策を打つというよりも、政党間の違いを際立たせる事に力を使っている

・向こう3年程度はデフレ傾向だが、その後のインフレ率は徐々に上昇する

・インフレは、エマージング、米国、欧州、日本の順番で起こる

・先進諸国政府への投資は金利リスクへの投資、エマージング諸国への投資はクレジットリスクへの投資という概念は変わってくる

・国や地域、商品の差別化が重要になる

・最も安全なキャリーは、この世界的パラダイム・シフトの中、経済面と金融面のファンダメンタルズにより、真のコア国であるソブリンのデュレーションとカーブから得られる

このPIMCOのマクロ展望は、概ね私の見方に近いです。

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